なぜ「ケア記録」で文章を重視する?

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介護記録の生産性を重視してみると・・・

一番生産性が高い情報のやりとりは、「出力は音声で行い入力は文字で読む」

根本はこれになります。

・書く(タイプする): 70文字/分(出力)
・話す・聞く: 300文字/分(出力・入力)
・読む: 600文字/分(入力)

というのが、人間の一般的な入出力の1分あたりの「文字数」になります。
そして「学習効果」の最も高い方法は、「学んだことを人に教える」です。人に教えるには自分の言葉で伝える必要がありますので、身になっていないとできません。それ故に真剣に学びます。

私は有料で現場ケアのキャリアをスタートさせて、3年後特養に行くのですが、ケア記録は、有料が手書き、特養がPCでキーボード入力でした。

手書きは大変でしたが、これがキーボードになった時は、すでにPCにかなり慣れていたこともあり、楽になったと感銘を受けました。が、色々なキャリアの方がいるのが介護の現場。キーボードがめちゃめちゃ苦手な人ももちろんいました。

その特養は割とケア記録のPC入力は絶対みたいな環境でしたので、60代の方でもキーボードを学び頑張って打ってました。ただ、今とは時代が違い、「上司の指示は強力」で、業務の捉え方も厳しかったと思います。

その後、在宅CMを経て、有料CMに転職するのですが、この有料は初め手書き記録でしたが、3年目くらいに某有名介護ソフト(WEBアプリ)を導入しました。この時に記録が「選択肢」「一括入力」となりました。

「考えないこと」が習慣化・・・

そして運用し出して3ヶ月、、、現場の雰囲気が変わっていきます。当時私はCMとしてケアプランの作成はもちろんでしたが、入退居の調整・入退院の調整・現場スタッフのマネジメントと色々と行っていたのですが、現場から「どうすれば良いの?」という問いが多くなってきました。

その時は都度都度私と当時のリーダースタッフ達とマニュアルを整備しながら返答をしていました。一方でCMとしての私も、現場に対し「あれはどうなっているの?」と質問が多くなっていきました。

そう、それまで当たり前に保管されてた「具体的な文章による記録」が急減してしまったため、確認できるものが急減してしまったのです。

それからは、、、もうぐちゃぐちゃになっていきました。どうにかそれを阻止するために、色々施策しましたが、結果的に「利用者別の連絡表を作成する(BY手書き)」「日毎の連絡表を作成する(BY手書き)」を行うことで、辛うじて薄いながらも具体的な記述を現場スタッフが共有することになり、ぐちゃぐちゃは収束しました。

いや、ケアプランをしっかり作成すれば、そんなこと起きないのではないの?と思う方もいるかもしれませんが、介護の現場ってめちゃくちゃ水物です。ケアプランは「大枠」であって、日々現場が対峙する「小枠」ではありません。

「小枠」への対峙、例えば昨日家族が差し入れした果物や、微熱で入浴を昨日していないための本日の対応をどうするか、、、こういったことに日々現場スタッフは対応しています。ケアプランにこれらの対応全てを記すなんてことは出来るわけありません。都度都度現場が知恵を絞り答えを出して対応していきます。

「考えること」の重要性を知る

その知恵の元こそ「具体的な記述」であり、絞り出す行為は「日頃の文章を記すために考える訓練」で鍛えられます。これらが「選択肢」「一括入力」で記録をすることで、なくなってしまった現場、、、こうなると結構悲惨な状況になるのは容易に想像できるのではないでしょうか?

現場スタッフが選択肢の「一部介助」と「全介助」のどちらを選ぶかPC前で悩んでいる姿を見て、「もう、何か、だいぶ違う方向に行っているな、、、」と感じながらスタッフマネジメントを行っていました。そしてマニュアル整備や直接OJTなど「指導する側の負荷が強くなる」手段で解決を図る以外に、良策は思いつきませんでした、、、。

そんな中で出会った「音声入力」。2018年頃だったと思います。その精度に衝撃を受けました(今は2021年ですので、もっと凄い精度です)。

「音声入力」で「文章作成」こそが、私がスタッフマネジメントをする上で求めていた最良の手段でありました。それを実現させるために、色々手を尽くしていた矢先のコロナ騒ぎ、、、もう会社も「音声入力で文章」どころではありません。

急速に変化していく社会で・・・

コロナという未知との対峙で有料ホームの管理者として四苦八苦してましたが、とりあえずの基本方針が固まった頃、フツフツと「音声入力で文章作成」の炎が私の中で燃え上がり、「とりあえず製品作ってみよう」という思いに駆られ、勢いで2021年3月に会社を設立するのでした(他複合的要因はもちろんありますが、、、)。

会社設立のくだりはちょっと脱線でしたが、「文章」の重要性、というか「文章を生成しない現場の怖さ」を身を持って体験しているからこそ、「サポレコ」では「文章入力のし易さ(音声入力重視)」と「文章確認のし易さ(検索し易さ)」を凄く意識して開発をしたのでした。

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「サポレコ」管理者

介護業界に現場目線でICT化を推進するために2021年3月起業し、介護記録WEBアプリ「サポレコ」を運用しています。このページでは介護のことやICTのことについてラフな感じで記しています。

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