介護ソフトを導入している事業者の多くが、「請求業務」を簡略化できないか?を検討した結果、ソフトやWEBアプリを導入することになっているかと思います。
が、この請求業務のデータと介護現場のデータの相性がよろしくありません。
どうして相性が悪い???
介護保険の請求は「9月利用→10月上旬請求→11月上旬結果発表・下旬入金」となります。仮に9/5にサービス利用を終了した方でも、請求業務とデータが連動していると、現場データに11月下旬までデータが残っている状況になります。
現場は約3ヶ月、この参照不要なデータを画面上で見ることになります。
これを工夫して、「介護現場では見る・見ないの選択をできるようにしよう」という施策が行われて、権限者がそれらを操作できるようになったりするのですが、、、とても面倒な作業が一つ追加されたことになります。
私は「請求データベース」と「現場データベース」は切り離して考えるべきと思っています。
それは、上述の①データ使用期間に違いがあること、②共有できるデータが名前・住所・性別程度であること、③請求データは不用意に弄られると致命傷になること、です。
管理する部署が違う
請求データはお金と直結しますので、厳重な管理をしたいデータです。そのため、介護現場のスタッフが「この方、もう利用していないし、表示されると目障りだから、データから消そう」とかされたらとても困ります。でも、介護現場のスタッフにしてみれば、「いや、現場の記録は印刷しているから、問題ないですよ。」となります。このようなノリで請求データを削除されたら、とても困ります。
会社の「お金」と直結するからこそ、データ保管の優先順位は「請求データ > 介護記録データ」となり、保管責任は経理関係になることが多いです。そして、前述のとても面倒な作業を担当者が忘れてしまった場合、電話やメールで「忘れてますよ」と知らせる現場スタッフの連絡業務が増えたりします、、、。
仕事が増える構造に・・・
このようなデータベースの一元化は、新たな面倒な状況も作り出します。それは、志ある介護現場のスタッフが「介護現場のスタッフが自由にカスタマイズできるデータベースを作ろう」となり、Excelやワードを駆使し、許される範囲のメーリングリストなど社内ツールを使用し、データベースシステムを作ってしまうことです。
もう、こうなると、何の情報がどこにあるのかがドンドン属人的(=その人任せ)になっていき、それをまとめるマニュアル作成、、、ともう何の仕事?となっていきます。
すこし大袈裟に聞こえるかも知れませんが、これらは私が実際に経験した内容です。
「名前選択の箇所の管理作業程度で、、、」と思うかも知れませんが、入退居がそれなりある施設であれば、年間に何十回と行う作業になります。それもイレギュラーで起きる作業なので、忘れ易いです。そのため、「また忘れてるよ、、、」となり、人間関係や部署関係がギスギスしたりします。
「請求業務」に特化したソフトは沢山あります。代表例は「国保連合会伝送ソフト」ですね。でも、「介護記録」に特化したソフトはまだ一部しかありません。
現場に任せられる環境を!!
「現場のデータベースは現場が責任を持って管理していく」というのは当然です。そしてそういった組織の方が、自分たちでサービス全体を作りあげている感がありますので、モチベーションも上がり易く、結果、サービスレベルも上がっていくことになります。
施設として適切なデータベース管理がおこなわれているのか?を、もう一度現場目線で検討することをオススメします。