F-SOAIPという記録の考え方

介護記録をつける際に「どうやって記したら良いのだろう?」という悩みはあります。
その際に一つのヒントになる方法として、F-SOAIP(エフソアイピー)という考え方があります。

日本語名は「生活支援記録法」となります。かなり介護の観点に寄った記録方法になります。

*SOAPという看護の記録方法が有名ですが、それを介護バージョンにした感じです。

目次

F-SOAIPを使えば「考える記録」が生まれる

これは端的に申すと、「記す項目を事前に決めて、それを埋めていく。」ということです。

そして、このF-SOAIPの良いところは、対人援助職にとっての「課題解決のための思考」が配慮されている点です。

この記録の仕方を何度も記すことで、その思考が訓練され、結果として援助内容=業務内容に反映されていきます。

詳しくは公式ホームページに載っていますが、ここでは端的に分かり易く説明します。

F=その出来事の題名です。
S=利用者(家族)の話や訴えです。
O=実際の状況です。
A=援助者(書き手)の考えです。
I=行った対応です。
P=今後の対応の提案です。

ザックリとですが、あくまで分かり易く記しています。

が、このように「記すべき内容」がある程度定義され項目化されていると、記録する際に迷いがなくなり楽になります。また、見直す際も項目分けされていれば、記録が冗長にならず見易いです。

コツは「F=題名」を最後に記すことです。SOAIPを先に記し、その出来事に相応しい題名を記す、というのが記し易いでしょう。逆にFから記してしまうと、それに縛られてSOAIPが記しにくくなります。

(大分豊寿苑 が作成しているこちらの動画により詳しく記されています。)

実際にこの手法で記録を行ったところ、スタッフ間の連携が良くなったり、新人スタッフが早く独り立ちするなどの効果が認められたとのことです。

参照資料
https://www.jmar.co.jp/asset/pdf/job/public/llgr2_155_report.pdf
(株式会社日本能率協会総合研究所 にF-SOAIPの導入した効果などについて詳しく記されています。非常に長文のレポートですが・・・)

もちろんデメリットもあるけど・・・メリットの方が大きい仕組み

デメリットとしては、これらの方法を習得するまでに時間がかかるのと、記録そのものを記すのに量が多くなるので、時間がかかることでしょうか?

上の参照資料にもありますが、スタッフにこの考え方を浸透させるために短くても3ヶ月、長いと1年半くらいかかるとありました。かなり骨の折れる作業になることは間違いありません。

しかし手間のかかる記録方法に見えますが、これをしておくと他の手間(人材育成・チーム連携・業務習熟)が省けることが期待できます。また、長い目で見ると好人材の育成に繋がり、顧客満足度や離職率に繋がっていくかと思います。

「サポレコ」についてもいづれ、F-SOAIPに沿った仕様も考えてみたいと思っています。

(公式ホームページより一部抜粋)

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「サポレコ」管理者

介護業界に現場目線でICT化を推進するために2021年3月起業し、介護記録WEBアプリ「サポレコ」を運用しています。このページでは介護のことやICTのことについてラフな感じで記しています。

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