介護業務支援ツールで良く目にするのが表題にある「グラフ化」なのですが、個人的に介護業務を行なっていてグラフ化の恩恵に授かったことがほとんど記憶にありません。
逆にこの「グラフ化」のせいで混乱させられたことはあります。
グラフ化で大混乱?
これはバイタルの記録のグラフ化で実際にあった話です。
そのシステムはバイタル(血圧・脈・体温)を入力できるものだったのですが、グラフに反映されるのはその日最初に入力した記録でした。グラフのY軸は「1日単位」となっていました。
そのため、その日の午前中に初めて測ったバイタルは異常値なしだったのですが、午後から発熱し、夕方解熱剤服用、就寝前に解熱となったことがありました。この時点で最低でも3回はバイタルチェックをしていますが、グラフに反映さえれるのは午前中に測った「正常なバイタル値」となります。
しばらく日にち(2週間くらい)が過ぎた後、ご家族にそのことを報告しようと思い、日付が思い出せなかったため、グラフを参照にしようとしましたが、異常値が見当たらないグラフとなっていました。
「もしや自分の記憶違いか、、、人違いか?」と不安がよぎりつつ、「いや、確実にその出来事はあったはず」と自分の記憶を信じ、今度は全部の記録が一覧化されたものを一つ一つ見ながら確認し、異常数値を発見し、無事報告できました。
そう、結果的に余計な機能によって大事な家族対応という業務に手間取らされました。
その後はバイタルのグラフデータを参照にすることはありませんでした。
必要性を再考してみよう
このグラフ化、、、介護業務で活躍する場面が正直想像もできません。可視化することは否定しませんが、何でもかんでも「グラフ化=可視化」は本質業務に支障をきたします。
介護業務においてグラフ化は「必要な時」だけで良いのではないのでしょうか?それは特殊なプレゼンや説明の場面であり、滅多にあることではありません。
毎日の介護業務の中でこの「グラフ機能」を非常に有用に使っており、さらに何らかの差別化や効率化が行えているのであれば、それは私も知りたいところです。ただ、少なくとも、私が16年近く介護現場に携わり「グラフで良かった」ということに遭遇したことはありませんでした。
「グラフ化機能」、、、これを実装するのに「◯◯円」を払うのは???というのが、私の率直な感想です。
グラフによる可視化自体は悪いことではないと思います。ただ、エクセル等で簡単にできる数字のグラフ化に対してお金を支払うのは、、、という思いがずっとありました(その分、自分の給与に反映させてよ、、、という思いです)。
そのため、「サポレコ」には数値入力もなければグラフ化機能も実装していない、ということになります。
医療現場は1時間単位でモニターが当然ですが、介護現場は、、、と思うのでした。